暗国の杜🐌Tales of the Dark country
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2024-12-12 07:11:58
第十二幕
一方そのころマロニエ城では、スミレがいなくなったことで城内がざわめいていました。 「あの娘、逃げたな!なぜ誰も逃げたことに気づかなかったのだ!」 捜せ捜せ!とヘンルーダが喚き散らし、城の者たちが右
2024-12-12 07:10:59
第十一幕
マロニエ王国の某所、もう何十年も昔に戦争によって破壊された砦跡の廃墟に、30人ほどのマロニエ兵が退屈を持て余して過ごしていました。 兵士たちがそんな廃墟に配属されたのは、半年前の秋口。冬が来て、春
2024-12-12 07:09:51
第十幕
敗残兵はマロニエ王国に入ると、国境付近の街で全滅の報を伝えて息絶えました。 クレマチスはこの報を一等先に聞きつけ、スミレを脱出させて魔王軍と合流できるよう策を練り始めました。 まずはスミレにこの
2024-12-12 07:08:42
第九幕
フロックスが配属されたシラカバの街は、内海に面した細長い道のような入り江の港町でした。南の貿易国から様々な交易品が持ち込まれ、また、メタセコイアの畜産加工品が南に輸出され、シラカバの街は交易の重要な
2024-12-12 07:07:41
第八幕
マロニエ王国で生活するスミレの敵は、ヘンルーダだけではありませんでした。 ヘンルーダには何人もの寵姫がおり、中でも第一の寵姫・ハイドランジアの虐めが一番陰湿でした。 ハイドランジアはスミレより三
2024-12-12 07:06:23
第七幕
引籠って出てこない魔王に代わって、ヒノキ城で指揮を執っているジギタリスが、戦闘が収束しているローレルの町からレンギョウやライラックたち主力の戦士たちをヒノキ城に招集しました。 ヒノキ城周辺で発生し
2024-12-12 07:05:09
第六幕
やがて、スミレを乗せた馬車はマロニエ王国の王宮に着きました。 ヘンルーダの元へ連れてこられたスミレは大きなお腹を抱えていましたので、両脇を屈強な兵士に支えられ、ゆっくりと王の前に跪かせられました。
2024-12-12 07:03:58
第五幕
マロニエ王国の三人の斥候は、国境に広がる樹海を抜け、ヒノキ城に近づきました。 なんとかして侵入を試みたのですが、ヒノキ城は周囲を荊に囲まれ、やっと人が一人通れるような小道しか侵入口が無い上に、見え
2024-12-12 07:02:40
第四幕
ある日、魔王は魔界のサイプレス王国に帰り、王都の高級酒場に幼馴染たちを集めました。 魔王が酒場に入り、VIPルームの個室に進むと、中では既に二人の友人が待っていました。 アスターほどではありませ
2024-12-12 07:00:58
第三幕
メタセコイア自治区と隣国マロニエ王国の国境近辺の、マロニエ王国の領土内で、怪物騒ぎが起きました。角を生やした大きな怪物が複数、村人を襲って喰らったそうです。 村は怪物によって壊滅し、怪物はマロニエ
2024-12-12 06:59:14
第二幕
ここで、丘の城のお話と、現在のセコイア国の状況についてお話ししなければならないでしょう。 この丘の上の城には、ある血塗られた歴史がありました。 今から二百年ほど前です。この城はとある小さな国の
2024-12-12 06:58:05
第一幕
ある夏の日のことです。スミレは城の一室のソファに体をあずけ、ぐったりしていました。そのみっともない姿に、同じ部屋にいた魔王は目を覆って諌めました。 「スミレ……お前の女らしさなんて今更求めんが、その
2024-12-12 06:56:01
第二部 プロローグ
むかーしむかし、誰も近寄れないくらい茨の生い茂った丘の上に、魔王が住んでいる古ーいお城がありました。 丘の麓にはのどかな村落があるばかりで、人々はただ静かに、丘のお城の魔族たちと手を取り合って、畑
2024-12-09 13:53:28
【短編番外】ガーリィ☆マジック
季節は春でした。 野の花が咲き乱れ、蝶や蜂が舞い、吹く風も心地よい、うららかな昼下がり。 魔王とスミレは数人の侍女を侍らせ、中庭で紅茶をすすり、お菓子をつまんで日向ぼっこをしていました。 不意
2024-12-09 13:52:34
【短編番外】アスター大好き!
お城の廊下で向こうから歩いてくる魔王を見つけたスミレは、嬉しくなって犬のように駆け寄りました。 「こら、スミレ、裾!」 ロングドレスに構わず全力で駆けてくるスミレに、魔王は転びはしないかとヒヤッと
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